「類推」という高度な行為

ある人工知能(AI)の研究結果に興味深いものがありました。

AIの苦手な作業分野に「物事を類推する」というのがあるそうです。


例えば、言語(日本語)翻訳の分野で、文の中で複数の形容詞がどの単語にかかるものか、
を特定するのが難しいそうです。

それによって「自然な」翻訳というのが難しいということらしいのです。

人間であれば、経験から来る「類推」によって、この単語はこの単語にかからない
(つながらない)というのが容易に判断できるからです。


またもう一つの例として、物体の認識において、1つものが「何であるか」、
を特定するのはAIにとってとてつもなく難しいそうです。

それもその物体が「そこにある意味を類推」できるからこそ、素早くそのものを
特定できるわけで、ないと自分の中のあらゆるデータベースをひたすら探すことになります。

そうすると膨大な計算量が必要です。

コンピューターの計算速度が速いといっても、対象が絞られていないあらゆる物事を
検索するのはものすごく時間のかかることなのです。


総じて「類推」のような行為は人間ができる高度な行為で、
これらがそのまま「人間にしかできないこと」のヒントになりそうです。

『考えているそのものからの領域を超えた、異分野同士のつながりを考える』

例えば、
・自分があるAという領域の専門家だったら、全然違う分野のBとの共通点から
仕事のヒントを得る
・Cというスポーツのヒント(コツ)を、全く違く見える伝統芸能Dの型から得る
・自然界の成り立ち(生物多様性、食物連鎖など)から、人間の経済活動の要素を考えてみる
など。

 

この間「アイデア出し方」の本の中に、

「アイデアとは既存にあるものの『新しい組み合わせ』である」

という言葉を思い出しました。

記憶する物事の数では圧倒的にAIに勝てそうもないですが、
類推から出るアイデアというところにはまだ人間に分がありそうなので、
そんなところに意識を向けて日々着想を得ていきたいと思います。

今日も成功を祈ります、お読みくださり心より感謝します。

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